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キルケゴール

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 高校生のころ実存主義にひかれたそもそものきっかけは高校教科書「倫理・社会」なのかもしれない。しかし実際に書物と悪戦苦闘したのは中央公論社版の「世界の名著」であった。第1回配本は「ニーチェ」。ほどなく「キルケゴール」も出た。1966年まさに17歳のころだった。20歳をすぎた無為徒食の時代に「死に至る病」を読んだ。何度も何度も読んだ。そうしなければ理解できなかった。
 横浜駅西口近くの古色蒼然とした喫茶店に長時間居座って読んだことがあった。思い出したくもないほど酷薄な青春だった。主体(この僕)が倒れたらどうする?自分を鼓舞するようにキルケゴールを読んだ。だが、その「主体」は脆弱で、おぼろげで、たよりなかった。いまここの現実存在がつかみどころのないシロモノで主体なんてどこにも無いんよ、と納得できたのはずっとずっと、ホントにずっとあとのことになる。構造主義から精神分析の書物を読む過程で17歳の桎梏から解放されていった。
 それでもなお、こんにち、今の今をもってして「ぼくはいったい何を欲しているのだろう?」と根元的な問いをたてずにはおれない我が身だ。『我々が抽象化された理想を追い求めるということは、そもそも我々が他者の欲望を身に負っているということである。欲望している心は、すでに幾分かは他者のものである。』と、新宮一成センセはおっしゃる。まさにその通りなのだが・・。

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