腸骨の硬化像
元日。元気のいい話からいこう。
小泉義之「ドゥルーズの哲学」(講談社新書)から
少し長いがご辛抱のほどを。
『私たちは、身体の力と精神の力について本当に何も知らない。
何も知らぬまま効能にすがる。
ところが効能は、身体の力と精神の力を当てにしている。
療法が効果を現す場合があるのは、専門家のおかげでもなく、
援助やケアのおかげでもなく、何よりも身体の力と精神力の
おかげである。
そんな力の認識だけが幸福なのだ。スピノザは「エチカ」の最後で、
身体の観念である精神には何か永遠なものがあり、
それを認識することが最高の幸福であると書いた。
ドゥルーズは、何か永遠なものの認識を、
自然哲学・生命哲学と解した。
だからこうなる。
いかに鬱屈していても、
人間が鬱屈するように世界がなっているという
不思議を認識することだけが、鬱屈解消で得られるはかない快活とは
比較にならぬ幸福をもたらす。
どんな療法を受けようが、人間は苦しみ病んで死ぬ。
そんな運命の不可思議を認識することだけが、
最高の幸福をもたらす。
「こんな希望を捨てるわけにはいかない」。』
身体のことで煩わされる事態は続いている。
「PK疑い」はシロ、「前立腺癌」は灰色。(25%の癌確率)
針生検はこちらの意思でしないことにした。
新たに「腸骨の硬化像」を指摘された。
腸骨とはだいたいここら辺をいうようだ。
以下のCT画像はかかりつけの病院で撮った通常の画像。
そのうち5枚だけを flash にした。右腸骨(赤丸部分)には
影がハッキリある。↓
医療センターでの造影CTにはもっときれいに出ていた。
医師が「骨シンチ」とタイプするのがモニタ上に見えた。
「新地がシンチグラフィー撮るんですか?」
と冗談飛ばすのを抑えた。
僕の覗き見を不快に思うかも知れんから。
6日は整形→泌尿器と医療センター内を回る。
「骨シンチ」やりましょう、ということになるのか?
骨に転移している前立腺癌だったらもう癌自体が大変だろう。
何より痛みが来るだろう。
それはナイ、と思う。
・・・・・
サスペンデッドな毎日ではある。
まあ、なるようになるのだ。それが希望というもんだ。
第一このスケベな僕が「前立腺癌」だったらお笑いじゃないか。
人は欲望の強度や力能が集中するところから先立って侵食される。
そう思ってまちがいない。