ドゥルーズ: 2018年5月 Archives



大黒岳彦『情報社会の〈哲学〉』読了。

これまで大黒岳彦を「現代思想」でいくつか読んできた。AIとか、コミュ障とか。
で、先の「現代思想の316冊」の「不可視の社会を如何にして・・」ですね、特にP37以降のグランドセオリーについてのキーワード①以降の「まとめ方」にぐっときた。
情報社会(世界社会、社会の社会)のシステムを哲学のイシューとして提示してくれる。僕にはこれが嚆矢だ。

さて、本題には関係ないことをひとつ。
大黒岳彦の文には特徴がある。たとえば、括弧やルビが多いこと。哲学ゆかりの古代ギリシャ語が多いこと、うんぬん。
それがこんな結果をもたらす。見本のスキャン画像ををふたつ。





上が『情報社会の〈哲学〉』、下が去年の「現代思想」8月号の「コミュ障」のもの。
どちらも2行目に注目。行の割り付けが変でしょう?
推測ですがこれは、テキストをQuarkXPressに流し込むときに、なっちゃうんですよね、たぶん。
これは校正でなんとかならないのですかねえ。些細なことです。でも眼に立体的に(3次元の効果となって)飛び込んでくる。うーん。
いつだったか、池澤夏樹と世界の果て「パタゴニア 冒険の旅」、てのをNHKBSでみた。
これはそのときWooo画面をショットしたもの。





ドキュメンタリーの中で彼は、こんな旅に残りの人生を使ってもいい、みたいなことを言う。ふむ。そうなんだ。
池澤個人編集の石牟礼道子でたいそうな財産を頂戴した。たまたま同じ時期にイサム・ノグチ評伝の「石を聴く」を読んだことも偶然とは思えない。
自己のための備忘メモをひとつふたつ。

①石牟礼道子は、字義通り石の牟礼(山)とつながる。祖父は水俣で石を扱う人だった。それがもとで一家は零落する。
②五島(長崎)でつかう「みじょがる」(かわいがる)「そこんにき」(そのちかく)「ちんちろまい」(てんてこまい)などなどの方言が、五島、天草、水俣などの沿岸に船を介して伝わっている、と想像する。はやい話が、「椿の海の記」の地名、うまわりのとも=「大廻りの塘」である。ぼくらは、うーまわり、と言った。
③香川県高松市牟礼町牟礼にはイサム・ノグチ庭園美術館がある。まさにイシムレである。
④イサム、石牟礼、池澤らの異能は、生来のもので出自に由来する。

⑤存在は生成(構築)の「効果」なのだ、それもこんなに不可視で微分的な。われもそうなんだが、イサム、イシムレ、イケザワのThree I を知るにつけてもそうした感慨にいたるのです。

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