ハイブリッド: 2013年8月 Archives

アラーキーの東松照明

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 「アサヒカメラ」3月号に、追悼東松照明。らしきヒトがそれぞれ書いている。以下はアラーキーの言。

******東松さんが校長を務めたWORKSHOP写真学校で講師を務めた荒木経惟さん。東松さんが晩年、気になる写真家として、森山大道、中平卓馬とともにその名前を挙げていた写真家でもある。******

 東松さんは、50年代に「中央公論」なんかのグラビアで撮っていた。気にして見ていたよ。「地方政治家」とか、ほかの写真家とは違う切り口でやっていた。プレていないしピントも合っている。それも本質にピントが合ってるって気がするじない?写真集の『日本』で初めてまとまった作品として見て、スジが通ってるなと思った。でも、その半面、写真はそんなたいそうなもんじゃないよという思いもあったな。政治とか社会とか時代とか、アメリカニゼーションとか。写真はそんな大きなテーマをやるもんじゃないんじゃないか。だから反発して「私写真」をやったってところも多少はあるよ。
 でも、WORKSHOP写真学校は東松さんみたいな人がいないとできなかったね。ああいう人がいないと新しいことはなかなかできない。でも、まだ安保の余韻があったり、東松さんと森山さんだけだと「運動」と思われちゃうぞ、と思ったから、俺が、細江(英公)さん、横須賀(功光)さん、深瀬(昌久)さんを入れようって言ったんだ。横須賀さんを入れれば生徒が集まるぞ、とかさ(笑)。でもさ、俺に声かけてくれて、先生として呼んでくれたのはうれしかったな。
 東松さんの作品としては『太陽の鉛筆』がサイコー。政治とか時代じゃなくて、生きていく「生」の終点が写ってるよな。あのなかには光と風を感じているような写真がいっぱいあるじゃない? そっちのほうがいいよ。
 最後は長崎かなと思っていたら沖縄へ行った。あの世に惹かれて、死に場所に選んだんだよ。東松さんは自分が撮った写真のなかに入っちゃった。まさに〝写真に死す″ですよ。(談):引用終わり

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