滝口悠生「死んでいない者」

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今季二人出た芥川賞、滝口悠生の『死んでいない者』を読む。
先の本谷有希子の『異類婚姻譚』もそうだし、前回の又吉直樹の『火花』・・。物語は今様の装いをまとって次々紡がれる。
六畳ひと間のようにも狭い世界のテリトリーで
そこにはしかし込み入った事情がある。日常の(非日常か)些事がハナシの中心に居座る。
社会学の聞き取り調査にふれるような気分で読むが、読んでる当人はそれで時間をつぶせる。ありがたいことだ。

若い生き物が現れるその傍ら古びた者らは去ってゆく。
津島佑子は68歳というから僕と同じ団塊の世代だ。少し早い死だとおもう。


(7sとRollei Sonnar2,8/40)


(7sとNEOKINO改)

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このページは、が2016年2月20日 16:08に書いたブログ記事です。

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