松浦寿輝と村上春樹
松浦寿輝の文芸時評。村上春樹の新作には「触れないわけにはゆかない」事情がつねに、すでに、ある。僕の子供は発売当日数件の書店を回ったが売り切れていたそうだ。何なんだろうね、この現象。さて。文芸時評。松浦寿輝がこんな感想をもっているとはね。村上流にいえば、「ふむふむ」となる。「書評」としてのこの言表は新作をよく「評価」していることにはなってない。さりとてあえてとりあげたからには何か言を弄せねばならない。そしてわれわれには、はやく切り上げたいときにこそ長々といとまごいを詫びなければならない場合がある。しばしば、ある。拡大すればちょうど原寸大で読めるようにしています。詩人としてはもちろん、作家としても、なにより思想家としての松浦寿輝が村上春樹に「苦慮」しているさまが感得される。いやしかし、この記事を読んでるあなたはまったく違った印象をもつかもしれない。わたしたちの「イメージ」なるものは実体でも観念でもない。(たしかベルクソン)。まあ、無根拠のイメージです。あなたの実感はまた別でそれを決めるのはあなたです。