アナイス・ニン「インセスト」

|
500ページもある分厚いアナイス・ニンの日記を
結局最後まで読み終えてしまった。

私が日記を書くのは、この世でもっとも
掴みどころのない人物を、何とか解明するための
努力なのだと思い至る。その人物、すなわち、私は、
自分の探索を巧みにかわす。自分の嘘もすべては
白状しない。そんなことをしていたら、時間はいくら
あっても足りない。この私という人物は、とても書き
切れるものではない。考える筋道は、際限もなく
分かれていくんだから。
アナイス・ニン『インセスト』(P159)

上記の箇所は1933年、狂乱のような日々の中での記録だ。
ヘンリー・ミラー、アントナン・アルトー、
インセスト本人の父、オットー・ランク・・
「忠臣蔵」のオールキャストのようだ。(失礼!)
自己について語るときは常に矛盾がつきまとう。
「際限もなく分かれる」とはそういうことだ。
嘘つきのパラドックスにさらされるのだ。

アナイス・ニンは愛(性愛)に飢え、男たちに優しく、
しかし愛の鎖よりはなにより自立を求めた・・

ホン読みに疲れて、起き上がる。
手元のEOSMK2/EF16-35mmで動画。
楽だなあ。なにもしなくてキレイな動画が撮れる。
現代カメラ+現代レンズはこうも優秀なのだ。(笑)



このブログ記事について

このページは、が2012年7月 1日 17:44に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「「インセスト」アナイス・ニン」です。

次のブログ記事は「今日的なアナイス・ニン」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01

photo pages

photos

地上の夜の天使たち