「インセスト」アナイス・ニン

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アナイス・ニンを読んでいる。
『インセスト』無削除版。(杉崎和子訳 2008 彩流社)



(NEX-7/アンジェニュー 17-68mm TYPE L1)

自己を語ることに執着すれば、
究極はこういうことになります・・
しかし、
出来事は「アイオーン」であり、日記といえども
現実そのものは取り逃がすしかありません。
過剰なレトリックがあるのかもしれない。
事実かどうかはこのさい重要なことではない、
とも言えるでしょう。

生涯にわたって日記で自己言及をし続けた女性。
独特で、似た女性を思い浮かべるのはちょっと難しい。
精神分析の「症例」としてはありえるか。
フロイトとユングの間にいたザビーナ・・のような。
実際に、アナイスはオットー・ランクの分析を受け、
彼とのあいだに「関係」もあった。

アナイスの「過剰」や「横溢」それに「確信」には
常軌を逸するものがあり、精神分析的な
アプローチができるものだと考えられる。
思えばアナイスは僕たちに分け持たれたものでもある。
僕たちもまた彼女に分有される存在なのだ。
私たちは身体と精神について何も知らない、と
改めて観念することになる。
そそられる箇所は多いものの、
冗長で少々退屈することも否めない。
でもまあ、すごい。(笑)

文化や時代の違いもありましょうが、
なによりあれらは「生来」のものです。
個体の身体や情動にかかわる運命、事件です。
そうアナイス・ニンの血と骨です。

僕はフィッツジェラルド=ギャツビーのような
馬鹿騒ぎ・空騒ぎ系が苦手なのだ。
「残余」もへったくれもない空虚な後味の悪さが
いやでしてね。何かが損なわれる。
『インセスト』もそうだと決め付けるわけではないが、
どうかなあ、僕は途中でやめるかもしれない。
と、そういいつつも
最後まで付き合う勢いではあるのだ・・。

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このページは、が2012年6月29日 19:07に書いたブログ記事です。

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