アンゲロプロス 『霧の中の風景』
アンゲロプロス(ギリシャ)の『霧の中の風景』は
まさに「父捜し」のオィディプス系譜のシネマだ。
(同じ頃の『シテール島への船出』も、そうだけど)
ドイツにいると聞かされた父をたずねて
姉弟は酷薄な無銭の旅に出る。
「あちら側」をめざし旅に出る、という欲望を
ニンゲンはもつ・・・。それこそが
ニンゲンが生来「欠けた」生き物であることを
示している。生まれながらに「欠如」を抱えている。
初めに「欠如」があれば充足をめざすしかない。
オィディプス的に記述するとそうなるだろう。
アンゲロプロスの作品が
僕に魅力的であるのは曖昧な事実だ。
アンゲロプロスらしい印象的なシーンはいくつもあるが
このシーンもそのうちのひとつだろう。
テーマはオィディプスに連なるとしても
映像はイマジナブルで結晶は多義的だ。
警察署で待たされる姉ヴーラと弟アレクサンドロス。
雪が降ってくる。
署員は雪だ!雪だ!とみな外に出る。
首に縄をかけて人を殺めた女がいる。
外に駆け出す姉弟。
アンゲロプロス独特のイメージと長回し。
まさに「父捜し」のオィディプス系譜のシネマだ。
(同じ頃の『シテール島への船出』も、そうだけど)
ドイツにいると聞かされた父をたずねて
姉弟は酷薄な無銭の旅に出る。
「あちら側」をめざし旅に出る、という欲望を
ニンゲンはもつ・・・。それこそが
ニンゲンが生来「欠けた」生き物であることを
示している。生まれながらに「欠如」を抱えている。
初めに「欠如」があれば充足をめざすしかない。
オィディプス的に記述するとそうなるだろう。
アンゲロプロスの作品が
僕に魅力的であるのは曖昧な事実だ。
アンゲロプロスらしい印象的なシーンはいくつもあるが
このシーンもそのうちのひとつだろう。
テーマはオィディプスに連なるとしても
映像はイマジナブルで結晶は多義的だ。
警察署で待たされる姉ヴーラと弟アレクサンドロス。
雪が降ってくる。
署員は雪だ!雪だ!とみな外に出る。
首に縄をかけて人を殺めた女がいる。
外に駆け出す姉弟。
アンゲロプロス独特のイメージと長回し。