南方仁

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JIN(仁:村上もとか)の南方仁外科医師は
クロノスとアイオーンを同時に生きる稀有な生物である。
彼は現象の理路の中にいる。理路を操作することもできる。
原因が脳内の奇形腫であるらしいことが象徴的だ。
138年前の幕末にタイムスリップした南方先生も
現象のよってきたる理路を問う。当然です。
特異点は今や彼の全身を蕩尽してしまった。
世界が文字通り彼というモナドに殺到したのです。
問いを立てずにおれましょうや?

僕たちは現働的な生の中心で、この生はかつて誰かに
生きられた、という感覚をもつことがある。
さらに自己を含めて誰かの未来を生きようとしている、と
感じることがある。
よって一般存在論、現象、特異点、個体化、諸差異・・・
それらについてなお問いを立て、解を尋ねることを
断念してはならないのです。
いえいえ、それは十分わかってはいるのです。
「ドゥルーズの転回」を言挙げなさる檜垣先生は
実にまっとうなことをなさってるのです。
「リゾーム」の一言で済ます僕が怠慢なのでありんす。
南方先生、そっちでがんばってくださいよねっ!

「表現される世界は、述語のセリーがモナドに内属するように、
モナドの中に実在する。けれども神が創造するのは、
モナドというよりは世界であって、表現されるものは、
表現と混じり合うことなく存立するか存続する。」
(ドゥルーズ『意味の論理学』小泉訳。第16セリー)

左は1984年の臨時増刊号、右は「JIN 仁」第1巻

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このページは、が2011年1月 9日 14:20に書いたブログ記事です。

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