カフカとの対話

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「では老年が、あらゆる幸福の可能性を締め出すのですね」
「そうではない。幸福が老年を締め出すのです」
彼は微笑みを浮かべながら、
すくめた両肩の間に埋めようとでもするように、
頭を前に傾けた。
「美しいものを見る能力を保っていれば、人は老いぬものです」
グスタフ・ヤノーホ『カフカとの対話』(吉田仙太郎訳)
(組画像あり)


どういう経緯か知らぬが
国見高校で除籍され、寄贈されたもの。
こちらも借り手は少ない。
10年ぶりの外泊だ。

ドゥルーズは言う。
「書くとは、みずからの思い出、旅、愛や喪、
夢だのファンタスムだのを物語ることではない」

が、たとえドゥルーズにそう難詰されようとも、
人はそれらのものを書き綴る。
もとよりそうすることが、眠る、食べると同じように、
人に欲望されているからにほかならない。

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このページは、が2010年11月11日 14:38に書いたブログ記事です。

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