Horowitz

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 ホロヴィッツのカーネギーホールリサイタルというのはあまりにも有名だ。1968年2月。僕はまだ19歳。CBSソニーのリサイタル実況録音盤。僕が購った初めてのレコードだった。事情があって僕はその盤を廃棄したが、今でも全曲からだにしみついている。たとえば、「カルメン」の主題による変奏曲、これには彼がホワイトハウスで時のカーター大統領を前に演奏したものもあるが、聴き始めに違いがわかる。カーネギーホールのホロヴィッツに侵されている、というわけだ。
 ショパンの「バラード1番」から始まる演奏はもう圧倒的というほかはない。それをいま、こんにちのわれわれは映像つきで手に入れることができる。youtube 恐るべし、である。
 さてさて。長文になりますが、スクリャービンの作品8の12はyoutube にスクリャービン本人の演奏(映像なし)があります。手の小さかったスクリャービンと手の大きかったホロヴィッツ。時空を超えて二人の「もくろみ」が通底している、とみれる。精神分析的には「転移」が読み取れる、と。実際、ホロヴィッツは記録を残すことに執着した演奏家だった。そういう意味でいえば youtube でビデオをみた僕が、ホロヴィッツのCDをひとつ・・なんて動き出すと「もくろみ」が成就された、といえないはずがない。でしょう?

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このページは、が2008年9月30日 21:03に書いたブログ記事です。

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